絶対告白からだ。じゃなかったら絶対駄目だ。
確かにいきなり襲い込む、とか考えたけど、それじゃ駄目なんだ。
…知らないままでいた方が、幸せなはずだ。B-style Nix×Shi-low [暗闇の中で]
「かーッ!飲んだ食った!」
満足げなユーズを尻目に、酒に弱い若手のデラプレイヤー達は半ば酔いつぶれていた。思いきり醜態を晒しているのは侍兄弟だ。士朗とエレキは殊に酒を飲まされ、真っ赤な顔でベロンベロンになっている。実は今日の飲み会は、エレキがザ・サファリをギリギリ80%でクリアした祝いの飲み会、という名目だった。エレキの分の会計はユーズが持っている。俺がクリアしても拍手しかしない癖に、だ。若手に甘いと言うかなんというか…
「おーい、ニクス」
デュエルが赤い顔で呼んでる。俺も人のコト言えた義理じゃないが…千鳥足にはなってないから、まだ歩いて帰れるだろ。
「俺家がエレキと同じ方向だから送って行くけど、お前士朗頼めない?」
見れば今日の面子、普段は士朗を送る孔雀もサイレンも居ない。となると俺に鉾先が向いて当然か…
「わかった」
俺が短く返事をして士朗に肩を貸していると、おおきに、とデュエルのお気に入りの関西弁の返事が聞こえた。ずるずると足を引きずる士朗を、何度か壁にぶつけそうになりながら歩く。いっそ抱き上げて動いた方が楽そうだったが、それは俺の世間体に関わるので却下した。
「悪いなー…ニクスー…」
ぼんやりした目で俺を軽く見上げる。上気した顔。…人に言いたくないが、随分前から俺はコイツに惚れている。自分がホモだなんて欠片にも思ってなかったのに、気付けばコイツと一緒に居たがってる俺がいる。さっき孔雀とサイレンがいないと分かった時、俺は飛び上がりたいくらい嬉しかった。こんなに可愛い顔して見上げてきて、今すぐその顔にキスしてやりたい。でも…もう一つの秘密が、それすら阻む。
「気にするなよ」
平静を装いながらどうにか士朗の家についたのは、もう夜中の一時にニ、三分の所だった。マンションの中まで入り、士朗のポケットから鍵を取り出してドアを開く。入るなり小さな動物が小さな声でじゃれついてきた。
「ニクス…悪いんだけど…」
玄関で靴を脱がせると、士朗は荒く息を吐いて言った。その仕種、別のタイミングで見たいよなぁ…
「うちのコにさ…餌やってくれない?」
昼間から帰っていないらしい。それで帰るなり餌をせがみに来たってワケか。可哀想に。俺はすぐに腰を上げて、勝手知ったる士朗のキッチンに入って、上の戸棚に入っている猫缶 を一つ開けた。それを聞き付けて、すぐに士朗の元から俺の足元に走り寄る猫。虎模様が一匹と、今起きたのか欠伸混じりの茶毛が一匹。また拾ったのか…と俺は一人ゴチてもう一缶 開ける。皿はリビングの隅に二つ、散々いじくり回した様子を見せて転がっていた。そこに缶 の中身のマグロとシラスの混ざったフードを出してやると、飛びついて食べはじめる。二匹の猫はしばらく餌に集中していた。
…俺はふと、指に付いたマグロの切れ端を唇の手前で見つけた。何気なく口に運んでる自分が怖い。「ニークスー…」
玄関から壁に身体を預けて歩いてきた士朗が呼ぶ。俺は慌ててその指に付いた餌を三毛の皿に落とした。
「もう終電間に合わないだろ…?…泊まってけよ…ベッド使って良いから…」
暑いのか上着を脱いで、溜息を吐く。どうやら俺に連れて帰ってもらったという意識はあるらしいが、いきなりふっと笑ったり酔っている事は明白だった。猫達は気にもせずまだ餌を食ってる。俺も頂きたくなっちまうだろうが、士朗。
「いい、帰る」
そう言って玄関へ向おうとすると、士朗に肩を掴まれた。酔ってる所為で力に加減がない。
「お前は俺に礼もさせてくれないのか…?」
拗ねたような顔をする。こんな顔、中々見れたものじゃない…だが俺は帰りたかった。今夜泊まってしまえば、少なからず俺の劣情は露になる。何せ部屋には二人と二匹しかいない。
子供の様に泊まって行けと繰り替えして駄々をこねる士朗に、俺はついに耐え切れなくなった。
「士朗」
「んー…」
ぼんやりと返事をする。
「俺士朗が好きだ」
「…んー、俺もニクス、好きだよ……」
意味を取り違えてる。俺が言いたいのはLikeじゃない。
「好きだ…」
もう一度、好きだよ、と口にしようとしたのかもしれない。士朗がうっすら唇を開いた瞬間、俺は自分の唇を押しつけ、舌を中へ侵入させていた。ふっと、苦しげに息が漏れる。俺は構わず、さらに舌をねじ込んだ。
「ッ!」
もちろん本気ではないが、舌を噛まれて、俺は離れざるを得なかった。軽くとはいえ、噛む程否定したかったのか…
「ニ…ニクス…?」
士朗はきょとん、と俺の顔を見ている。俺はその様に目を逸らした。何を言われるか、怖い…「ニクス…本当に俺が…好きなの?」
一言一言で確かめる様に、俺に言葉を投げかける。
「好きだよ…士朗が」
それ以上俺は何も言えなかった。だって、俺は本当に士朗が好きで、それだけで…俺の中でずっと煮え切らずにいたモノが葛藤していた。
「…」
俯いてしまう。それもそうだ、ホモに告白されて、剰えキスされて、沈黙しない人間がどこに居るっていうんだ。反対に泣叫ぶ奴もいるかも知れないが、士朗の反応は…ごく、妥当だ。
俺は自棄になった。もういい、新宿を出るつもりで覚悟をきめる。
「あの、さ、明日、バイトは?」
俺が尋ねると、ないよ、と小さな返事。また暑くなってきたのか汗をかいている。もしかしたら冷や汗をかいてる。
我慢しなかった。すぐに抱き上げて寝室のベッドに降ろす。けして小さくなんかない抗議の悲鳴が聞こえたが、この際無視する事にした。
電気は消えている、ベッドのすぐ横のカーテンは今閉めた。寝室の扉も。真っ暗になった部屋、士朗の上に跨がった俺がいる。自棄に走って好きな奴を強姦するなんて、最低だ。でもいい、俺は最低でも士朗を抱いてみたかった。夢にまで見た。
「士朗、好きだ」
真っ暗にしてあるにも関わらず良好な視界の中、強引に服を脱がせてしまう。もちろん抵抗して暴れる。その抵抗をものともせず、俺は一枚、二枚と脱がしながら、身体を目に焼きつける様にして楽しんだ。脱がした服で縛ろうかとも思ったが、そんなに怖いのか、震える腕に力はなく、殴られても構わなかったからやめた。
白い肌は白人とのハーフだという事を強く思わせた。合間に俺も脱ぎながら、暴れて息切れを起こす士朗の胸を舐めてやる。悲鳴、高い声。俺の耳に心地よく届く。その手がカーテンを掴もうとするので手を掴まえて手首も舐めてやった。抵抗する様にビクつく身体は、俺が欲しくて仕方なかったそれだった。女より硬い身体、けど、俺が一番欲しいもの。士朗はずっと拒否しながら、段々身体を火照らせた。初めてみる他の男が組み敷かれる(しかも俺に)その姿。女とは違う艶を感じた。…もしかしたら、士朗にもホモの素質があるのかも知れない。
焦れったくなって、士朗の足を開かせた。身体は素直だ、と良く言うが、本当だと思う。少し硬くなった根元に舌を這わす。
「ひやッ…やぁ、だ…ッ!」
掠れた否定の言葉に加虐心を煽られた。先端までつーっと舐めて、上から口の中に収めてしまえば、あとは俺の口の中と、頭の上の方で鳴く士朗がいる。男のを銜えたりするのなんか初めてだし、多分そんな上手くない。でも、感じているんだろう、硬さが増していく。快楽に勝てる人間なんていない。
と、士朗に耳を掴まれた。多分俺を引き離すつもりだったんだろうが、それは本当に不味い事だった。俺が口から士朗を放して逃げようとすると、ますます耳は強く掴まれる。
「…ニクス、これ…何?」
暗闇では駄目だ、と判断したのだろう。士朗は俺が止める間もなく、カーテンを引いた。
薄暗いが外の灯りで俺が浮き上がったはずだ。いきなり光源が出来たせいで、俺の位 置からは士朗は見えない。けど…「ニクスって、猫?」
聞きたくない一言だった。いつもと違う金髪、その間から確かに俺の『耳』は覗いている。猫を思わせる黒い耳に、所々が黒く変色した髪の毛、その上身体にもまちまちだが縞模様が浮き上がり、御丁寧に背骨から尻尾まで生えている。猫と言うよりは、虎に近い。…これだから真っ暗にしておいたのに。
「ねえ、ニクス」
「黙れ!」
思わず怒鳴ってしまっていた。一番見られたくない相手に、俺が化け物だって事が露呈してしまった。もう、今すぐ逃げ出したい気分だった。
「ニクス、ねえってば」
子供が気を引く時にやるような声で俺に近寄ってくる。
その時、俺は意外な物を明るみに出た士朗に頭に見つけた。
兎の耳、だ。
それも純白の。
「ニクス、俺と一緒?俺、兎だけど…一緒?」
もう一度士朗の手が耳に触れる。俺は逆に士朗の耳を触る。暖かくて、震えていて、脈がある。本物だった。
不意に士朗は泣き出した。俺はただどうしようもなくて耳から手を放して、それを見ているしか出来ず、居心地の悪い思いをする。手の甲で涙を拭うが、何度拭ってもなかなか涙は枯れてこない。
「俺ね…」
泣き声がぼそりと、言葉を作る。
「こうなっちゃうから…するの、避けてて…一度もしたがらないから逆に気持ち悪がられちゃって、ずっと女の子にフラれっぱなしだった。」
不明瞭に言葉が紡がれる。あ、エリカは違ったけど、と付け足されたが。
「そう思うとさ…これはエリカもだけど、ちょっと、怖かった。同じ様にフラれるのは何となく想像ついてたから。…俺だってさー…夜一緒にいられる時くらい、したかったよ…」
ぼやく。俺と違って温厚なんだ、暗闇に連れ込むなんてもってのほかだったんだろう。俺は空軍時代から女と寝る時は暗闇で、が鉄則になっていた。もちろん、中にはそれが嫌で別 れたいと言った女もいたが、結構評判だったぞ。
「…何度か、部屋真っ暗にしてやったけど、それでもフラれちゃって…あんま真っ暗でやるのは変態だって、怒られた」
意外な一言に俺は少しばかり動揺する。誰だ、こいつが温厚だなんていった奴。…それが俺の尻尾に現れたのを見て、士朗はくす、と小さな笑いを漏らした。…たまに、大胆だったり強気だったりするからなぁ…そこも、士朗の好きな場所、と俺は思ってはいるが。
「でも、ニクスとなら平気だな」もちろん、たまに短絡的な思考に走るような所も、大好きだ。
「俺、ニクスがそんなに好きでいてくれてるなんて知らなかった。男同士…っていうか、なんていうか、同じだから、一番気兼ね無くいられる、そうだろ?」
そっと首に腕を回して、唇を舐めてくる。泣き腫らした目が赤い。
「俺も、ニクス、好き」
俺も相当息が荒くなっていた事と思う。士朗の耳を軽く銜えて、奴が声を上げたらすぐ押し倒す。もう一度胸も舐めて、軽く肩に噛み付いた。歯形は残さない。でも噛んだまま、舌で白いのにあまりキメの細かくない肌を、思うだけ舐めてやる。
はじめて、本気で没頭できるセックス。
士朗はシーツを掴んで、たまに声を上げて、身体を震わせて跳ねさせる。でも否定的なニュアンスが消えている。大胆にも、もっと、やめないで、と、俺に愛撫を催促する。欲求はお互いに不満だった、という事か。ふと、顔見れば潤んだ眼と上気して染まる頬。毛が薄い耳の内側も少し染まっている。いちいちそんなものが見えて、俺は顔が見える事がこんなに興奮を誘うものなのだと知った。
気が付けば、俺はまた士朗の腰を掴んで根元を舐めていた。広げられた足の下、白くてふわふわした、尻尾を見つける。兎の丸い尻尾は、それでもちゃんと身体の一部で、興味本位 に握ったら腰が跳ねた。…相当、敏感な所だ。俺も尻尾の根元を握ると(もちろん自分で試したが)腰が抜けそうな程気持ち良い。
切なげに吐息する士朗の足を、肩に乗せる。リラックスして弛緩した袋の下に、閉じた穴が見える。
空軍の宿舎で知り合った同性愛者の同僚に、ふざけて質問した事を、今更ながら良かったと思う。肛門をジェルなりなんなり、潤滑剤になるもので濡らして拡げる。女と違って勝手に濡れたりなんかしないから、と、彼は普通 に答えた。その知識が今、実践に使われる。
自分の指を丁寧に舐める。そうしながら、このところの自分を条件反射的に思い出した。士朗の事を、愛している意味で好きだと自覚した頃から、やたらに猫っぽくなってしまった。事実、士朗に猫だと笑われた事もある。さっきの猫缶 を食ってしまいそうになったのも、動くものをやたらに目で追っていたり、昼寝で寝過ごしかけることも、全部猫に共通 する。この所の俺は図体ばかりはでかい虎のくせに、蓋をあければ猫と変わらない性質を持っていた。
軽く自分に幻滅しながら、べたべたの指を、そっと押し込む。
「痛ッ!」
鋭い悲鳴が上がるが、我慢してくれ、と、まず入り口になる場所を柔らかくしてやろうとする。外側に向って指を動かしていくと、段々拡がってきた。そっと、指をすすめて、また同じ様にする。柔らかく解れる度に、指を士朗に埋めていく。士朗はと言えば、痛みに多少興奮が萎えている。ちょっと可哀想な気がしないでもない…
いくらか指が埋まってくると、士朗が喘いでいるのに気付く。
「ニク…ッスぅ…」
軽く指を曲げると、高く声が上がる。どうも排泄器官でも感じるらしい。面 白がって場所を特定して突いてやると、その真上にある男としての性器が反応して、本当に感じているんだと感心する。だからここに突っ込んでも、セックスって確立するんだ、と思い知った。
そう思うと我慢が効かなくて、俺は自分のを士朗の入り口に引っ掛けた。出口のはずなのに、今は俺を受け入れるための入り口になっている。耳が軽くへたれているまま可愛い顔で俺を見る士朗は、少し怖がっている様に見えた。
意を決して、入り込む。まだ拡げたりなかったのか、少し狭い。士朗もそれを感じて悲鳴をあげる。でも、俺はやめないでますます入り込んでしまった。ぐっと、詰まる。しかし、段々と腰が密着していく。ハッキリ言って、こりゃそこらの女なんかより全然いい。士朗には悪いが、狭さ故に絡み付く感じがたまらない。
「ッあ…!」
引っ掛かったところで、どう考えても「いい」時の声を上げた。さっき何度か突いた辺りだと、何となくそうだと思う。少し無理をしてもう一押しすると、士朗の背中が反った。
「ひぁ…は…に、ッ……クス…」
泣いた士朗の顔が見える。でも、その顔は悲しかったり痛かったりして泣いてるんじゃないのは確かだった。
完全に腰が密着する。なんとか入った、俺は安堵する。女ほどスムーズには行かないが、ちゃんと俺達はできる、そんな安心感があった。
「ニクス…ニクスってば…はぁ…」
少し落ち着いたのか、士朗は俺の背中に手を伸ばして、抱き締める様にした。体勢が少し変わって、また声を上げる。その時、俺のモノが締め付けられた。…本当にたまんねえ。
士朗はまた少しの間、じっと波が去るのを待っていたが、震えが少し止まると、俺の耳をいじり出した。さすが猫の飼い主だと思う。いじられる内、気持ち良くなってくる。性的でもあるしそうでもない部分もある心地良さに、俺は士朗に甘えてみる事を決意した。あんまり他人に下に見られるのを好んでない、つーか嫌いな俺は他人に甘えるのも好きじゃない。弱さを見せているみたいで嫌だからだ。でも…士朗ならいい。抱き締められて胸にくっ付いた頭を押しつけ、もっとやれ、と強請る。士朗は気を良くして、頭も撫でてくれた。ふぅ、と、どっちのものともつかない溜息が漏れる。俺は安心した。士朗の体温も手の平も、あったかい。ずっと俺一人、化け物だと悩んでいたのに、好きになったやつは仲間で、こんなにあったかい。
「ニクス」
首を撫で始めた士朗が可笑しそうに笑った。
「喉なってるな」
俺は虎の癖に喉を鳴らして甘えてた。というか喉が鳴るなんて初めて知った。士朗は喉と顎を撫でて、満足そうにしている。…俺に触って満足してくれるなら、本望だ。
けど、いつまでもこうしてることは出来ない。
「士ー朗ーぉ」
胸を舐めてやる。心無しか、舌がザラッと音を立てた気がしたが、士朗がまた締め付けてくるからそっちに気を取られた。
「動くぞ」
了承の返事を聞く前に少し腰を引いて、勢いを付けて押し込んだ。
「ふぁッ!」
口がちゃんと閉まってないのか、間抜けな声が漏れる。それもまた可愛い。俺は構わずもう一度、もう一度と繰り返す。その度に声をあげる士朗が可愛くて仕方なくなってきた。
あとはずっと、喘ぐ声と身体がぶつかる音が部屋に木霊する。
「ぁッ…ニクス、もッ…!」
限界が近いのは目に見えてる士朗。実際俺もそろそろ際どい…
「ひやぁッ!」
先に士朗が達した。俺は腹に白いべた付く液体を受けとめて、さらに何度か腰を振った。
「んッ!」
一瞬頭が真っ白になって、次に軽い脱力感と、緊張感の解れを感じる。長く息を吐くと、すぐに抜いてやる。すると、士朗の中から俺が出した液体が少しばかり流れた。
「あー…中出し…しちまった…ゴメン」
良いかどうかも聞かずにやってしまって、罪悪感を感じる。
「いいよ…気持ち良かったし」
妊娠なんかしないぞ、とデコピンを喰らった。
お互い、声からすっかり酔いが抜けている。快楽の余韻で消えない俺の尻尾を、士朗は嬉しそうに撫でた。目で寄る様に指図され、手が届きやすい様に顔の近くに移動してやると、ますます嬉しそうに尻尾をいじる。
「猫じゃこうは行かないんだよ…」
嫌がられるだろうな。触り方がイヤらしいぞ士朗。俺の尻尾は触られる度にフラフラ揺れて、そこから伝わってくる体温が気持ち良い。
ふと気付けば、士朗は俺の尻尾を握ったまま眠ってしまっていた。流石に真夜中で俺も眠い。
「…んん…」
士朗の耳はとうに人のそれに戻っていた。緩く握られた尻尾をそっと手から外す。自由になった次の瞬間には尻尾は消えた。
俺は士朗に布団を掛けながら、自分も隣に潜り込んだ。寝息をたてる士朗を、じっと見つめる。普段ならば人間と何一つ変わり無いのに、と、思う。どうして大事な時に、とも思った。けど、今士朗の隣にいる事ができる、それだけで、俺は自分が化け物で良かったような気がする。お互いに同じイキモノであったことを、神がいるなら感謝したい。
「士朗、好きだ」
起こさない様に小さく呟く。明日起きたらもう一度キスをしよう。まずはそれだけ考えて、俺も瞼を下ろした。
end
2003/12/08
言い訳満載野村萬賽(誤字)
とにかく耳萌え尻尾萌え。というか
根源的にいえば獣萌え。
そんな私がついにやっちまいましたネタの小説を
裏とはいえ公開です。
…なんか表更新して無いしアレですね(何)
眠たいのに勢いで書いているので
後ほど修正があったりなかったりするかと思われますが
自分は一応ニクシロ前提の人(雑食ですが)なので
とりあえず一番にニクシロケモで。
耳と尻尾は私的に異常なまでの萌えポイントです。
根元だけに限らず、相手と絡めてみたり
尻尾で身体触ったり
ニクスみたく行動までケモいとなおさら萌えますね!
こんなところでトークしてもなんなので
いつかケモ萌トークページを増設いたす所存です。(わー