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bk1に「素晴らしい新世界 〜或いはSFと戯れる日々〜」というまだ手に入るSF本についてのコラムを書かせていただきました。第二回目の「レイ・ブラッドベリとハロウィーン」もアップロードされました。第三回「えっ、こんな本も読めるの?!〜久保書店「Q-TブックスSF」」、そして第四回神月摩由璃『SF&ファンタジー・ガイド摩由璃の本棚』、第五回ぼくがSF本コレクターになった経緯がアップされました。古典を読みたい方はこの機会を逃さずに!ご意見ご感想をお待ちしております。
復刊ドットコムに「夢の国のリトル・ニモ」の復刊をリクエスト。ご協力お願い致します。
Rideau Centerの近くにある巨大な古本屋へ。ここはBasementを含めて4階ある巨大な古本屋で、やっと時間ができたので寄ってみた。2階のペーパーバックのコーナーにはSFとファンタジー、ミステリー本の山が!あまりの量の多さにびっくり。まあ90万都市ということを考えれば、古本の量はわからなくもないけれどもね。
でもって見ていると、なんとなく探していたMicheal ConeyのペーパーバックとBarry N. Malzbergとかが160円で売られているので押さえてしまった。コーニイはたぶん店頭在庫がまだありそうなので、見てみようかな。他にもイギリス系の作家陣が多数。チャールズ・プラット、オールディス、イアン・ワトスンとか。一部を除けばほとんど1.95Can$なので、安い。ハードカバーもあったみたいなので、また次の機会に。
新刊を追わないでも古本だけでも割と楽しめそうなので、よかったよかった。これで未訳のコーニイが読めるよ!時間を見つけて読もうっと。
家が決まりそう。とりあえず火曜日にアパートメントを見に行く予定。
オタワ大のESLのコースには文部省から派遣されている日本人の高校の先生と中学の先生がいらっしゃって、家探しについて後者の先生にはとてもお世話になった。彼は北海道の本別町で中学生を教えていて、カルガリーに留学していたこともある。英語の教育について寿司をぱくつきながら(オタワには結構日本食が食べられる場所がある。久々の寿司はうまかった……。)いろいろと話を伺う。
結論としては文部省も日本の現状を省みて、これではまずいと思ったのか会話を中心に指導要綱を変えるという。ところが現状では会話ができても、それを評価する手段がない。高校になれば大学受験のために結局ペーパーテストのみで評価されることになる。やはりどこか矛盾しているしかいいようがない。
こちらに来てわかったのだが、とにかく発音は重要。特に日本生まれの日本人が苦しむのはf発音とsとth発音の違い、vとw、rとlである。これらの音はやや特殊な舌の動きと口の形をとるため、日本語発音になじんでしまった日本人にはつらいものがある。実際ぼくも、これらの発音ができず相当苦労している。Japanese Englishでもいいよ!というのは嘘で、わからない発音していると現時の人は相手してくれません。たとえば自分がmassといったつもりでも、発音が悪くmathに聞こえてしまうとか。あとは有名なところでは、lightとrightの違い。音のちょっとした違いで誤解を生む可能性があるので、発音を矯正するのは今のところ重大な課題。
会話中心にすることのメリットは生きた英語がわかることと、会話から文法やヒアリングを同時に習得できるということもある。結局早期から発音や会話を中心にすることで、英語が生きてくるのではないかというのが彼の主張。現地に来てぼくは彼の言っていることがよくわかった。こういう先生方が一人でもいることはとても心強い。
ヒラマドさんとおおたさんから反応が。40歳になると自動的に6ヶ月の赤ん坊の脳みそにトランスファーされるというシステムに反抗する話とか、地下で冬眠する人々を脅かすモンスター退治なお話とか、可変の体をもつ異性人とのコンタクト話とか、体を提供する人々の話とか、遺伝子改良された未来の人類の話とか。なんかとても楽しみなのは確か。今はマルツバーグを読んでいる途中。
またちょっとブックマーケットへ寄る。前回はあまり時間がなかったのでよく見れなかったのだが、まだまだいい本があった。ホックの本とクリス・ボイスの長編がうれしい。u-kiさんが悶絶しそうな内容ならいいけど(笑)。すべて1.95CAN$。キャッチワールドとか、Beyond Apoloとか原書があったので、ほしい人は捕獲しておきますよ。あとはゲームブックとか。
National Art Centreで8月11日まで開催されていた芝居"Blood on the Moon"をESLのコースの一環として見た。この芝居はPierre Brault氏のみで、複数の役をやるといういわゆる一人芝居。1868年に起こったカナダでは著名な政治家D'Archy McGeeのミステリアスな暗殺劇をベースとした話で、暗殺者として処刑された実直な床屋James Patrick Whelanの独白を元にした芝居である。この芝居の面白いところは、小道具は椅子のみという点。それとスポットライトをうまく利用した舞台の切り替えである。この切り替えは見事としかいいようがなかった。舞台は牢屋になったり、裁判所になったりとスポットライトの切り替えのみで状況が把握できるところがすごい。もっともそれだけにBrault氏の演技力にすべてがかかっているとも言い換えることができる。
氏の演技はもう素晴らしいとしかいいようがなく、あるときは家事手伝いの女性になったり、あるときはフレンチカナディアンの樵や道化師になったりと、その場に応じてフランス語なまりの強い英語に切り替えたり、裏声をつかったりと、感情を込めた演技が印象的だった。
彼が果たして有罪だったのかどうか、あとで投票させるのだがぼくはどちらかというと無罪派。Whelanには不利な証拠もあれども、嘘つきと評判な道化師が「彼がMcGeeを殺した」と証言したりと、政府当局がとりあえず面子のために彼を犯人に仕立て上げたのではないかと思われる節がある。カナダの歴史を知らないと多数人々が出てくるために、混乱してつまらなく感じるかもしれないが、彼の英語は明瞭でとても楽しめた。もう一度見ようと思ったのだが、最終日だったためSold Out。残念。
クラスのOutingの一環として、ケベック州のHullにあるGatineau ParkのLake Pinkに行った。ここは20mより下は日本の田沢湖のように酸素のない死の世界。水はエメラルドグリーンでとても美しく、こういう場所が多数あるカナダがうらやましく思えた。その後はカナダの大統領マッケンジーキングの邸宅だった場所へと行く。彼はやや気のふれた大統領として有名で、死人と話せたとかいうすごい経歴の持ち主。邸宅は美しく、規模の違いにびっくりした。ちょうど結婚式が開かれていて、花嫁・花婿ともども幸せそうでした。クラスはあと2日を残して終わり。色々と大変な日々でしたが、とても充実していたように思えます。
さあ、これからが本番だ。
星雲賞海外短編部門受賞おめでとうございます>山岸真さま。
日本は今ちょうど日本SF大会の話題で持ちきりだろうなぁ。ちょっとうらやましい。
ESLの授業もようやく終わり、後は秋からの本業に備える形に。引越し先はようやく決まったので、一週間ほど現地のカナダの方の家に泊まる形で、雑務をこなす感じ。
4本ほど見た。3本はビデオ。1本は映画館。The Planet of the Apesは面白かった。奴隷解放のもじりもあるけど、SFXが存分に生かされた大迫力な映画。こちらではちょっとしたブームになっているみたい。結構パラドキシカルなラストで、見終わった後でカナダ人の友人が色々とブレインストーミングして、合理的な解釈をしようとしていたいのが印象的だった。いや、聞いているだけでも面白かったんですけど。実は夢オチ(笑)とか。
悪のチンパンジー萌え(笑)。
2本目はToy Story 2で、1を見ていなくても楽しめた。こりゃー、面白い。アニメだと思って最初は敬遠していたけど、ESLの友人たちも薦めていたのでみんなで見た。こりゃー、面白い!。Buzz(宇宙服のヒーロー)とWoody(西部劇のヒーローの方)の二人が一応主人公で、今回はWoodyがメイン。彼は実はプレミアものの人形だったことが今回で明らかになる。仲間のペンギン(名前を失念)がガレージセールで売られるのを阻止しようとして、誤って落ちてしまう。ところがそこでWoodyを長年捜し求めていたおもちゃ屋によって盗まれしまう。友人の危機とばかりにBuzzとその仲間たちは彼を助けに向かうという感じのお話。スターウォーズのパロディとか、宇宙人の恩返し(笑)とか人形の悲哀とかうまくまとまっていて非常にいい話だったと思います。見ていない人、必見。さあ、あなたもBuzzと一緒にGo to infinity and beyond!
3本目はUnbreakable。アメコミ好きの人にはお勧めなのかな?話的にはストレートでわかりやすいのだけれども、あまりこういうのは好きになれないなぁ。これは好みの問題だからなんともいえないけど、割と話的にははっきりしているのでまあそれなりに楽しめた。SFファンは好きなタイプのお話でしょうか。ラストがあまりにも唐突で、そこが好きになれなかったのかも。バットマンとジョーカー(わかる人にはわかる)。
もう一本はハリソン・フォードとミシェル・ファイファーが出演するWhat Lies Beneath。これ、結構面白かった。ハリソン・フォードが年とってしまったなぁという印象はあるけど、まあ何とか許容範囲。サイコスリラーとしてはまあまあよくできているように思えたり。ちょっとした効果や恐怖をかもし出す部分が実にうまい。ストーリーは定番どおりといえるのだけれども、なんか色々な要素(オカルトとか)が入り乱れて結構不思議な感じ。時間があれば見るといいかも。
遅々として進まず。MalzbergのHerovit's Worldがようやく半分まで。これスランプに陥ったSF作家の話で、たぶん70年代のアメリカのSF事情を反映した話だと思うのだけれども、ややかったるい。『アポロの彼方』のマルツバーグのことだから、きっと何かやってくれると思いながら読んでいます。もしかするとモデルは某大物作家なのかな?
コニイとスピンラッド、マルツバーグ補完計画。加藤さんもお勧めしていたNorman Spinrad Bug Jack Barron もゲットできたし。詳しくはまた後ほど。コニイは3冊買いました。 Malzbergは表紙が強烈な、The Sodom and Gomorrah Business を。この当時のペーパバックは薄くてうれしいぞ。
カナダ人の友人に映画に誘われてケベック州の方にあるHullのStar Theaterへと行く。お題目は RAT RACE。前回、The Planet of the Apes を見たときに予告編を見たのだが、そのときに「変な映画だなぁ」と思っていた。面子は個性派俳優が勢ぞろいで、Rowan Atkinson, Whoopi Goldberg, Seth Green 他。たまたまラスベガスに滞在していた人々が、200万ドルをゲットできる幸運を引き当てて、メキシコにあるシルバーシティの駅のロッカーまで競争をするというお話。さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが200万ドルを争奪するというお話。たぶん今年見た映画の中では今のところベスト1。多少ジョークがわかりにくいところがあったのだが、8割方は理解できたと思う。
見るとわかるのだけれども、クレージーでお馬鹿なお話。インパクトに残るシーンはたくさんあって語り尽くせないのだけれども、特に笑ったのが以下のシーン。ラットレースに参加している父親が娘の要望に答えてバービー博物館に立ち寄ったら、なんとそこはバービーはバービーでもとんでもないバービー(笑)。その後彼らの車が故障してそこで借りた車もとんでもない仕様が!でもって、途中で会ったバイカーに対して「いいバイクですねー」というつもりが「いいDykeだな」といってしまったり。その後がもうとんもない展開に。5分間笑い転げていました。いや、あまりにもすごいので自分の目で見て確かめてください。はちゃはちゃ好きな人は必見。ラストも素晴らしいし、ぼくの中では満点に近い出来。日本でいつ上映されるかはわからないですが、絶対見て損はない1本。
東京から荷物が4つ届く。Leaving timeが近づいているので、どうにかして一時滞在の場所に運ぶ算段をしなければいけない、とほほ。運良く寮を離れる前に荷物が届いたからいいものを、届かなかったら面倒なことになっていたなぁ。とはいえ、送料がばかにならない(10万円近くかかったようだ……)ので、感謝いたします。荷造りを含め、どうもありがとうございました。また自分も荷物を増やしてしまった(寮を出るカナダ人の友人より小さい冷蔵庫とテレビを100ドルで購入)ので、これも併せて移動させないと。ちなみに24日の正午で1ヶ月と24日滞在したCarleton Universityを離れることになります。色々とあったけど、違った国々の学生や社会人と交流できたのはうれしいなぁ。英会話も多少状態したようだし。とりあえず現地の方のご好意で1週間ほど滞在させていただけることになったので、あとは移動の算段だけ。
やっぱり思うのは、英語は使わなきゃ使えない言葉だということ。日本ではあまり話す機会がないから、よっぽど機会や意思が強くなければ英語の勉強はできないと思ったり。もっと長く滞在すればするほど、うまくなると思うとわくわくしてたまらない。本業とあわせて英語の勉強は続けるつもり。だんだんと理解できるようになってきたのがはっきりとわかってきたのがうれしい。モノを頼むときが一番つらいけど。
どうなるでしょうか……。写真とか色々ととったけど、今のところ整理中。
Carleton UniversityのSummer Residenceの滞在に終止符を打ちます。色々な人に出会って、色々な話ができたのが収穫でした。英語はまさに共通言語。まだまだ勉強途上中ですが、こちらにこなければ絶対学べなかったことが多かったので、何かあって日本に戻ったときにでもそれはまた。
超久しぶりに2chのSF板を見てみたら、違う作品同士のタイトルを合成してみませんか? なるスレッドが育っていた。知っている人は知っているようだけど(いまさらすみません。)、思わず読んで爆笑してしまった。なんかこれだけで作品がかけてしまうような気が。スキズマトリックスはニューロマンサーの夢を見るか、いさましいちびのバーサーカー、「悔い改めよ、ハーラン・エリスン」とアシモフは言った、銀河ネットワークで歌をうたったジョナサンと宇宙クジラ、ポール・アンダースンさん、あなたに神のお恵みを、ビームしておくれ、ふるさとへ、わが赴くは星の群、くたばれコンラッドあたりがツボ。こういう遊びはとても面白いなぁ。
薄くてニューウェーブ風のSFが読みたくなったので、マルツバーグの「ヘロビットの世界」を手にとって読んでみた。当初はふーん、なんかどろどろした作家の内情を書いた本で、これはこれで面白かったのだが、多少かったるくなって中断していた。ところが後半になってむちゃくちゃ面白くなった。翻訳のある『アポロの彼方』同様、ラストでうぉっ!すげぇぇぇぇ!!!と思わず絶叫。あまりの面白さに、どうして翻訳されなかったのか訝しく思ったのだが、この本の内容はあまりにも危険なため、翻訳されなかったのだろうと個人的には推測する。これは翻訳のある『アポロの彼方』でも感じたことだが、マルツバーグは現実と狂気の狭間を猥雑かつ粘着質に書き分けることのできる作家だと思う。マルツバーグの原文を読むとわかるのだが、効果的にinformalとformalな単語が使い分けられており、この使い分けが文章に迫力をもたらしているのではないかと思う。マルツバーグの文体については、『アポロの彼方』に収録されている故黒丸尚氏と鏡明氏の対談を参照のこと。黒丸氏がほれ込んだ理由もなんとなくわかる。このほか、Adam-Troy Castro氏によるReviewがWEB上で読める。
あとでGOOGLEで検索をかけてみて、ソウヤー氏の日記を読んでいたら、「P・K・ディックの人生と類似点がある」という記述が見られ、なるほどと首肯する。レズニックもマルツバーグの最高傑作の一冊と述べており、マルツバーグについてのエッセイを書いているぐらい。
主人公Jonathon Herovitは92編の作品をこれまでに発表した中堅どころのSF作家。彼はSF界ではそれなりの名声もあり、編集者の催促に応じてペーパーバック市場を中心に作品を発表してきた。そんな彼はつねに編集部の催促に終始追われ、自分の時間も持てず、くずのような作品を書くのに酒の力を借りて何とかこなしていた。妻のJaniceも子育てでヒステリックになり、性生活も含めて離婚の危機に瀕していた。Herovitは何とかいい作品を書こうと苦闘する。そんな彼の神経はだんだんと蝕まれ、ついには自分が忌み嫌うペンネームKirk Polandが自分をのっとろうとたくらむ始末。その間彼を打ちのめすような出来事が次々と重なってしまう。
そんなHerovitを最終的に打ちのめしたのが、妻Janiceとのセックス。彼女の積極的な求めに応じられなかったHerovitは妻の非難を受け、ついに自我を崩壊させてしまう。そうして、第二人格である高慢なKirk PolandがHerovitの自我を追放し、何とかいままでのあやまちを正そうとするのだが……。
い、痛すぎ。職業作家としての生みの苦闘、70年代のアメリカのSF界の風潮を批判的に描いた本書はSFファンにとって、必読の書だと思う。たとえば妻ジャニスが家庭も彼女も顧みないHerovitに対して「SFなんてくそ喰らえ」というシーンや、友人の作家WillyがHerovitの原稿を見て「なんだこれは、こんなひどいのはみたことがない!おまえの書いているのはくそだ。」というシーン等は痛々しくてもう見ていられません。作家を蝕む「書かなければいけないという重圧」がひしひしと伝わってくる。SFというせまいジャンルで、パルプ作家が味わった狂気に満ち溢れた作品といえるでしょう。自分が書きたい作品がかけないという状態のもたらした悲劇、そんな悲劇をマルツバーグは示してくれたのだと思う。ウェブ上でも評判がいい本で、マルツバーグの代表作の一冊とみなされているようだ。160ページと薄い本だけど、かかれているメッセージは現在に十分通用する。お勧めの一冊。
またブックマーケットで。ともに1.95ドル。
寮を離れます。しばらく更新不能。また時間ができたらお会いしましょう!