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久々の読書感想文更新。『エスコート・エンジェル』(ハヤカワ文庫JA)に比べると、文章がさらに読みやすくなっている。この作品について感じたことは、ともかく作者の物語世界への尋常ならざる想いにあろう。感覚的には士郎政宗の『攻殻機動隊』を彷彿させるようなノリである。つまり、作者による設定の濃密さが引き起こす幻覚症状なのだ。まるで、シェークスピアの『真夏の夜の夢』のような展開なのだ。石堂藍氏も述べているが、まさにこの作品はアニメ化に適した形の作品で、流れるような展開こそが今回米田淳一がやりたかったことなのではないかと思う。
特に途中までは緊迫感が溢れている作品の中で、粘菌テロという設定に対処する人々の姿をカットバックの手法をうまく用いて、リアルタイムで物語が進行している点は評価できる。一部作者の趣味がもろに出た会話などもあるけれども、まー、許容範囲ではある。某CHの言葉(死語になる恐れがある)を使うのはいただけないとは思うが、作者のアイデンティティとして考えれば仕方がないのかもしれない。
相変わらずAIとして生まれたシファとミスフィは表裏一体を成していて、作者なりの意識に対する見解を物語としているという意味では、色々と考えさせられた。今まで一連の米田作品の中で、今回の『ホロウ・ボディ』では設定を反映させることによって、最も成功した作品なのではないだろうか。