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復刊ドットコムに「夢の国のリトル・ニモ」の復刊をリクエスト。ご協力お願い致します。

全般的に当たりな感じ。しかしながら中村融訳の「征たれざる国」がまったくわからなかった。これはベトナム戦争におけるカンボジアを舞台にした幻想小説なのだが、訳文のせいもあるのか、まったく脳にイメージが思い浮かばなかった。世界幻想文学大賞を受賞したらしいのだが……。死や荒廃のイメージや、絶望ということはかもし出されていても、いったいこの作品のどこがどういいのか、ぼくにはわからなかった。この作品について解釈を教えていただけると幸いである。
テーマは人間の新たな形態への進化、不確実性である。SFにおいて、特に人間が人間であることを捨てずに、人間能力の拡張を図ることは永遠の課題である。しかしながら、われわれは生命として、定められた年月を生きるべくプログラムされている。そのプログラムのリミットが外れたときに、どのようなことになるのかということをテーマにした山岸&中村両人の苦労が伺えるアンソロジーである。今という世界を考えるにあたって一読をお勧めしたいと思う。

夏に読了していたのだけど、時間がなくて感想がアップできなかった一冊。藤森玲子の表紙絵が怖い。このインパクトもさることながら、シマコ口調で、がんがんいくので、読み終えて「オカヤマ女はこえー」とか思った。基本的にオカヤマの方言や文化、習慣について岩井志麻子が語るというエッセイなのだが、オチが結構ホラーしているので、こわかったりする。
しかし自由奔放に生きているなーという生命力の強さというかオーラがこの本から発しているので、パワーに圧倒させられてしまう人も多いかもと思った。また彼女のホラーはすべて読んでいないのでさくっと読み終えておきたいところ。
400円文庫SFの一冊。病院で働く介護ロボットが病人介護を通じて、自分探しをしていくというお話。介護を通じていくことにより、人間らしい感情を芽生えさせていくミキ。彼女の出生には何か謎めいたものがあるものの、与えられた役目を果たし、患者さんを励まし、死から遠ざからせようと苦闘する。末期癌に冒された子供、痴呆症の進んだ老人らとのふれあいを通じ、自分に与えられた役割を果たそうとミキは苦闘する。
「所詮機械だから……」という冷たい言葉もあれども、彼女は人々の心の琴線に触れていくことで、介護役としての自分を認識していく。その課程で明らかにされる謎。彼女は自分がロボットなのか、それとも人間なのか苦闘していく。
ロボットが自分探しをして、自分が何者なのかというテーマはいろいろな形でSF作品として発表されてきているが、菅浩江はここで病院という新たな形で読者を魅了することに成功している。「自我」とは何か?いろいろと考えさせられるSFである。将来、もしロボットが介護の場に出た場合、人々がどのような反応し、ロボットがどのような形で役に立つのか、そして倫理的にどうであるかなど、いろいろと考えさせられる。SFを読んでいて楽しいのは、技術が経済や倫理など社会観に与える影響をおのおのの作家が独自の形で持っているということである。その意味でも、本書は社会面も考慮しており、感動をさそう作品になっていると思う。

『GO』で在日朝鮮人の高校生と日本人女子高生の淡い恋を描いた金城氏の二作目。閉塞した高校生活を打ち破るために、ゾンビ高校の高校生だった主人公たちが憧れの女子高校の学園祭に入るために、いろいろな手段を尽くすという表題作を含む三篇が収録された滑稽でかつみずみずしい連作短編集だった。
「君たち世界を変えてみたくはないか?」という生物の教師の一言が彼らに大きな変化をもたらした。憧れの女子高校のお嬢様の学園祭に入るために、彼らは必死だった。出前作戦、えーじゃないか作戦ともども成功はしたものの、お嬢様方に不評だったため、彼らは3年目にしてリベンジを行うことになる。そのリベンジには重い病気になった友人ヒロシの想いもこめて、みなが一丸となってがんばったのだった……。
ほかの短編ものびのびと生き生きとしていていい。めでたく彼女ができた主人公たちが旅行に行こうと画策したものの、集金役の山下(ことあるごとに不幸に巻き込まれる男)が旅行代金をかつあげされ、ぼろぼろにされる。友人アギーの情報網により、彼らはそれが誰であるかを発見し、復讐を誓うという感じ。この話は友情と恋愛のハザマといった感のあるお話。
書き下ろしの話は、ストーカーから美人を守れ!という話。これまた山下のエピソードで爆笑させられてしまい、肝心の事件がぼやけてしまうくらいこういう挿話がうまいと思った。
読み終えて思ったのだが、今回のこの作品は戸梶圭太のように変な人物を書くのがうまい作家だと思った。若さにあふれたエネルギーの発露と、青春の泥臭さと、子供から大人への成長の過程とかをオフビートな文章で面白おかしくまとめているという点では、青春小説のカテゴリーに入ると思う。ぜひ今の中学生から高校生たちに読ませてみたいと思う作品だった。何かをやってみよう、何かをやってみなければ世界は変わらないということをこの作品から感じられた。若いからこそできることは必ずあるし、失敗は若いからこそ取り返しがきくわけだから。お勧め。

以前PHP出版から出ていた連作短編集。デュアルレーベルに相応しい連作ファンタジーでした。ほのぼのとした中にまつわる主人公サバロの謎。どうして彼は復活できたのか?そしてなぜ彼はいろいろなものを直せるようになったのか、連作短編を読むうちに、だんだんと見えてきます。連作短編、雰囲気的な部分ではキノの旅のような印象。いろいろな街で、サバロは今日も修理に励む。彼は戦争で、ひどい傷を負い、一度死んだはずなのだが、奇跡により生き返り、命のねじを巻きながら、モノにあるねじを巻きなおしてどんなものでも直すという不思議な能力を持っていたのだ。
モノにこめられた想いや願いを聞いて、サバロは客の要求にいろいろなものを直していく。夫婦の像、酒の瓶、枯れ木、誓約の布、元は氷の彫刻だった水、などなど人々の願いや想いがこめられたものを彼は物語を聞きだし、そして元にと戻してしまう。どのような形が理想なのか、ということにおいてはかなり恣意的な解釈もありましょうが、それでもサバロのとった解決策はベストオブザベストだと思いました。
寓話的で、なんというかじーんとくる話が多いので好きです。もちろん、ラストの話はもう感動もの。うまいなぁ。だから草上仁はやめられない。
こりゃー、すごい。デュアルでこの本が出たこと自体奇跡というか。またまたやってくれました倉阪鬼一郎。電気グルーヴの「チキン・シー」が脳裏にリフレインしています。この小説は自叙伝的な味わいを持ったSFなんだけど、本という媒体をフルに活用したあるトリックが仕掛けられていて、気づいたときにはうーんとうなる。や、やってくれるよ倉阪鬼一郎。
感覚的には、ものすごくクトゥルーに出てくる「秘密を知ってしまったために、SANがなくなって僕になってしまった主人公」の物語という感じか。そういう意味では、クトゥルー神話を読みなれている人にはお勧めしたい一冊なんだよねぇ。もちろんきっちりとしたSFだし、ミステリのコードがしっかりしていると思うので、ミステリ的にも面白い。でも、これかなり大変な労力がさかれた本だと思うので、個人的にはもっと読まれて欲しいなと思った一冊だったり。色々なトリックが仕掛けられているんだけど、きちんと最後に「!」となるので、収束の面においても満足。
パロディにするととVOXXXあたりの電気グルーヴのアルバムみたいな世界なお話かも。

エマノンシリーズ唯一の中篇?新作ということもあり、久々に楽しむことができた。NONNAMEを反対読みにした名前エマノン(この時点ですでに名前を持っているという罠もあるが)という名前を持つ30億年前のすべての生物の遺伝子を持つ少女の旅の物語。今回はなんと双子の兄ができるという設定で、一瞬エマノンが二人?になるのかと思ったのだが、きちんとそのあたりはなるほどと思う設定になっていた。主人公がエマノンの兄であるという部分を除けば、クライシス系エマノンの話で、「さすらいエマノン」に収録されていた短編のどれかに似ていたという感じではある。
本作品で面白いのは、基本的に悪人は出てこないという部分にあるかも。これは他の作品とも比較すると見えてくるかもしれないのだが、徹底的に暗い話というのはあまりないような感じがした。最近感じるのだが、人がどのような環境に生まれたのかということは、SF作家がSF観を形成するに当たり非常に重要な方向性ではないかと思えるのだ。本作品を読んでいて、特にそういう気持ちが強まった。だから梶尾さんの作品は年齢・性別問わずに共感されるのかもしれないと思った。
梶尾真治さんのSFはぼくが思うに、かなりハイソな匂いの香りがたちこめるSFなのではないかと思う。ご本人のご職業のせいもあるのか、のびのびとSFを書かれているなぁという印象を受ける。実経済での立場もきちんとご存知だからこそ、よりグローバルな視点でSFを捉えてるのではなかとぼくは思った。
についてほかに読まれている方の感想を読むと、リアリティを幻想的に書くことがジェフ・ライマンがやりたかったことだったのだろうか。考えてみると、ジェフ・ライマンの世界は『ネバー・ウェア』のアンダーグラウンドロンドンの世界に感じが似ているかも。そう読み解くと、そんなに悪くはないというか、傑作に変わるかもしれないと感じた。もう一度読んでみよう。

角川書店さん、この作品を再び読めるようにしてくれたことについて、とても感謝しております。この本は前から買ってあったのだが、本の山に埋もれていて読む機会を失っていた。同時期に咲田哲宏『水の牢獄』(角川スニーカー文庫)があったこともあり、「水の話?」とか思っていたので、なんとなく読んでいなかった。石堂藍さんの強烈プッシュにより、読んでみたいと思い読んでみることにした。
石堂さんの大推薦どおり、むちゃくちゃ面白かった。文章はとても成熟していて、ほかの角川スニーカー文庫の作品とは一線を画しています。内容的にはブラッドベリ『何かが道をやってくる』や早見裕司の『夏街道』をダークにしてしまった話。好き嫌いがあるかもしれないけど、ともかく読ませます。
異変は主人公とその友人が水族館の近くで催された<カメラ・オブスキュラ>なる一種の映像トリックを見に行った夜からはじまった。彼らはありえもしない扉を水族館の裏で見つけてしまったのだ。このことが気になり始めた彼らは、良子が提案したこっくりさんを行う。すると、こっくりさんの予言はとてつもなく恐ろしいものだった…。
ホラーミステリ的な要素もある。とくにひたひたと忍び寄る怖さというのは天沢退二郎の『光車よ、まわれ!』(ちくま文庫)的な怖さである。主人公の友人高橋が霊界ラジオなる方法を試みてから、彼がホワイトノイズから意味のある言葉を拾い上げる部分とか、すごく怖い。ある人には雑音でも、実は雑音の中にあるサインを拾い上げていって、意味のあるものに変換していくという狂気を通じての過程は格別怖い。怖さをうまく説明することが難しいけど、人が狂気に陥っていく、パニックになっていく部分、合理的に説明できないものに遭遇したときの恐怖などが、重層的に描かれていて怖さが倍増する。今回は自信を持ってお薦めできます。

いわずともしれた世界中でメガヒットを記録している某物語のパロディである。表紙もチープで、ダメなペーパーバックを思わせるこの装丁に惚れ込み、即効本屋で購入。河出も便乗商法に乗ったのか?と思いつつ読んでみた。
面白いー!PB15な内容ではあるんだけど、大人のジョークを含め、読んでいる途中一人で笑ってしまい、かなり変な人になっていました。読み終えたときに思った感想は、作者のメッセージは非常に共感した。パロディや冗談の裏に潜んだ、ガーバーの真摯なメッセージに心打たれる読者は少なからずいるはずである。ぼくもその一人である。
J・G・ロリンズの一連の著作によって有名になったバリー・トロッターはホッグウォッシュ魔法学校の有名人。彼は有名人であり、この学校に入学して以来11年になろうとしている。そんな彼が不満に思うのは、ハリウッドによるバリー・トロッターの一連の作品の映画化である。彼は事故によってラブラドルの脳みそを移植されて、おつむが弱くなったローンとませたアーミンという頼りない(?)友達たちともに、映画化阻止のために動き出す。
下品なジョークと辛辣な表現のベールの裏に潜んだメッセージは、映画だけで作品を評価しようとする人たちに読ませて上げたいと思う。バリーはロリンズのせいで「詐欺師になった」と感じ、「杖の一振りで世界を救えるような魔術師である」というイメージを植え込まれ、その役割を強制されてしまったと不満を述べる。さらには宿敵とされるヴァルマート卿から命まで狙われる羽目になったと、ロリンズに文句をいう。スーパーヒーローであるがゆえにの悩みである。
映画化を阻止した理由はそれだけではない。映画はあくまでも原作本の副産物に過ぎず、本から得た輝きは二度と得れるものではないということを強調する。ぼくはこの部分に共感。いくら優れた作品でも、色々な形で制約される。僕たちの心の中にはぼくたちだけのヒーローたちがいる。そんな素晴らしさを、ガーバーは本書を通じて、ぼくたちに伝えたかったのではないかと思う。ただのパロディではなく、実に明確なメッセージ性のあるいい作品だった。ハリー・ポッターを読んでいない人でも読めるので、お勧め。本書は帯つきの本を持っていたほうがいいかも。ちょっとした遊びがあります。
角川赤ジュヴナイルの一冊。今年の夏に帰国した際にようやく入手した一冊。本作品は個人的にはSF初心者に読ませたいと思えるような作品でした。本作品のテーマは宇宙人(厳密には宇宙人のつくったAI)との遭遇劇であり、かなり正確な科学知識を元にした冒険劇に仕上がっています。この作品は本書よりも前に過去に2回紹介されており、少年少女向けのSFとしては非常に評価の高いものであったということが伺えるでしょう。
海で海水浴をしていたデーニーとスティーヴそしてデーニーの父親サルガドーは銀色の物体にある日突然さらわれてしまう。彼らは狭い船内に押し込められ、味気もない食べ物で船内の生活をすごす。到着地につくと、そこには他に誘拐された地球人の青年シェークスピアがいた。彼の話によれば、誘拐したのは機械生命であるフォボスであった。火星人がつくったとされるこの巨大な衛星は、地球人のことを理解するために、さらってきたのだという…。果たして彼らの運命は?
いいSFでした。古典的な冒険SFとしてはかなりクオリティの高い作品だと思います。のちのち少年と少女は火星へと冒険するのですが、この冒険の部分で出てくるのは巨大な竜の化け物。どうやっつけたのかは、ご一読あれ。あとは、シェークスピアが宇宙で遭難しかけたときに使った気転が、科学知識に基づいていて、好感がもてた。つまり、科学的な事実をジュヴナイルという媒体ながらもしっかり描いている部分は少年少女作品としては評価が高いように思える。
見つけたら買い。

原著も900ページぐらいの本で、翻訳者の苦労が伺える一冊である。日本語版は約1500ページほどあるので、4分冊になっている。これはその4分冊目の一巻目である。内容はオムニバスで、第二次世界大戦中のアメリカとイギリスを舞台に、インディゴ暗号(日本軍の暗号)とエニグマ暗号(ドイツ軍の暗号)を解読するコードブレーカーの活躍(イギリス側からはAIの世界では有名なアラン・チューリング、そして主人公の一人であるアメリカ軍のコードブレーカーであるウォーターハウス)の話と、アメリカ軍の海兵隊員であるボビー・シャフトーの活躍、そして時が経過し、ウォーターハウスの孫であるランディがフィリピンでビジネスをするという話が交互に変わりながら語られていく形式になっている。
スティーヴンスンはフィクションを交えながら、最新の暗号理論を丁寧に噛み砕きながら、説明しようとしている。この部分は非常に面白い。どのようにしたら、暗号が解読されていないということをフェイクするなど、確率分布を操作する部分などは実にユニークである。実際、日本海軍大将山本五十六は、アメリカ軍の暗号解読により、待ち伏せされ殺されたという。つまり、暗号を解読した後も、わざとらしくなく自然に処理というのが暗号理論の問題のひとつである。この状況は一種ゲーム理論的な感じであり、山田正紀の『謀略のチェスゲーム』などの作品がなんとなく頭の中でリフレインする。
数学などの部分も多少考えないといけない部分もあるけれども、暗号がどのように生成されるのかなども含めて、単なる啓蒙本のたくいではないSFではないSF作品である、といえましょう。とりあえず2巻め以降の展開はまた後ほど紹介したい。

ネットでの評判をチェックして、面白そうだったので読んでみた。今のところ乙一は角川スニーカー文庫の2冊および幻冬舎文庫の本を1冊を読んだだけなので、すべてを評するのはまだできないけど、少なくとも前の二冊と比べてもそれ以上の出来だったような気がする。今回も乙一のダークな部分が前面に出されていて、実にうまいと思った。
主人公はやや影のある高校生の男女。主人公の少年はシリアル・キラーの素質を持った感じの男の子で、傍観者という立場を崩さない。つまり、犯人の正体がわかったとしても、ただ傍観するだけだし、自分がしたいことをするだけという反社会的な性格の持ち主である。この男の子と森野夜という名前からして、陰の部分を持っていそうな女の子が奇妙な友情をはぐくみながら、物語は進行していく。
「暗黒系」「リストカット事件」は、シリアルキラーという人種の冷たさや人間を物としてしか捉えられない部分とかが生々しくて、読んでいてぞっとする。「犬」はやられた!という感じである。どうやられたかは、読むとわかる。いたいたしい話です。「記憶」は森野の過去について。「土」はラストが…。「声」は登場人物で混乱したけど、読了感は漫画「サイコ」みたいな感じというか。
連作短編という形はこの作品にはぴったりフィットしているんじゃないかなと思った。
後味が悪い系の短編が収録された短編集。SF短編集というよりも、異色短編が収録された感じ。スタージョンテイストが強いので、割と好みかもしれない。いつ読んでも鬼畜だと思う「おれの人形」はインパクトが強くて、いやだと思っても読んでしまう。もともとはミダス王の話をヒントに作られた話なのだが、たぶん後半は江戸川乱歩テイストも入っているかも。なんというか、いろいろと想像するだけでもおぞましい短編といえましょう。
これを除けば個人的にすきなのは「われても末に」。ヤングの「たんぽぽ娘」が好きな人はたぶんこの短編好きなんじゃないかと思います。内容的にはかなり違うんだけど、こういう愛の形はあってもいいんじゃないかと思えるし、こういう形で結実するのは、運命とはいえ、ありではないかと思います。でも、なんともいえない味わいがあります。
後味が悪い短編もあるけど、式貴士の短編ベスト5に入るような短編が収録されているので、古本屋で見つけたら買いでしょう。お勧めです。

キノは相変わらずエルメスと旅をしていて、いろいろな国を旅しています。今回は血まみれ度が高くて、なかなかはらはらさせます。特に6人の男と戦う話を収録した「英雄たちの国」はのちのち収録されている短編ともつながりがあって、「!?」となります。うまいですねー。
でも個人的に主人公のキノが強すぎるというのがあるし、旅人に対して住人たちがすごくフレンドリーすぎるので、ちとどうかと思うときはありますけどね。寓話テイストが好きな人はキノの旅シリーズはブギーポップよりは読み進められるかもしれません。安定して読めるシリーズです。

山岸真さんご推薦の書だったので、読んでみた。こ、これは。文章に漲るテンションの高さ、軽快なノリで一気に読むことが出来た。意外な展開、あっと驚くエピソードといい、読んでいて何度笑ったことか。1000円払ってこんなに楽しめたのは久々。まさに本の値段と本の内容の価値が見合った一冊でした。ご本人のページも併せて見ると吉。
メルトモをゲットして、ネットハンサムを目指す三人の大学生。この道ではそれなりのやり手の師匠に習いながら、主人公はなんとか二人の女の子と会う方向性で成功する。一方、親父狩りをする援交女子高生と、同じくネットで彼氏ゲットのうぶな女子大生、そして変態の入っているラヴ・ハンターのエピソードが交互に進行して、物語は見事に収束する。あっと驚くオチに(俺自身、このオチに「!?」と思ったのだが……)唸るのは必至。
現在のネットゲットの状況をよく掴んでいて、実に面白い。ああ、なるほどと思える部分とか。でも、ある状態に「萌え!」っていうのは笑えるんだけど、連発されると結構引いてしまうね(笑)。これってやっぱり、シチュエーション萌え?男子はそういうのに萌えるのかなぁ……。どちらにせよ、他のNEXTを読んでみてきちんと判断したいけど、オススメであることは確か。値段分以上に楽しませてくれます。