{ゴースト物語}/第11章


「思ったほどは人の気配が少ないな〜」
みんなは、リューンを歩き回る。
「もうちょっとでアイツの家につくよ。ん?」
近くにポスターがはってあった。
『今週1週間レマで{龍神祭}を開催中!!!』
「ははあ。セキトバの村でもいってたけど、これで人がいないんだな。」
「じゃ、アイツも留守にしているかも。」
「それを祈ろう。」
しばらく、歩いた。
「ほら、ここがアイツの家だよ。」
立派な家だった。家というより、豪華なお屋敷だ。
門の前には、立て札。
『サー・トーマス・カルナボの館。無用の者はいるべからず』
「カルナボって言ったら探検家でしかもFIMBA理事長の偉い人だ!」
「だからこんな立派な屋敷なのか。ギンギライガーっていったら
レアモンスターだし、だからさらったのかなぁ?」
「珍種のギンギライガーの円盤石でもつくろうってんじゃないのか?」
「そうかもね。おしゃべりはこのぐらいにして、助けなきゃ。」
「・・・・どうやら留守みたいだけど・・・」
屋敷からは、人の気配がなかった。
「油断は禁物。いるかも知れないし・・・確かめなきゃね。」
「そうだ!いい方法がある!いったんみんな隠れて!」そういったのはリーフだ。
リーフの言う通り、みんなは近くの岩陰に隠れた。
リーフは道から石を拾って、まわりに人がいないのをたしかめてから
屋敷の開いているまどの中へ石を投げ込む。
ゴン!!!
石のブツかる音がした。リーフは急いで、みんなのところへ隠れる。
石がまどの中にはいったが、反応なし。
「なかにはいないみたいだね。チャンス!」
「念のため、もう1回やってみよう!」
リーフは再び、石をまどに投げ込む。
ゴゴゴン!
さっきより強くなげたので大きい音がしたが、1分間しても反応なし。
「よし、入ろう。でも、どうやって入ろうか?」
みんなは表門へいってみる。
「番犬とかはいないみたいだけど、鍵がかかっているのでは?」
もみぢはそういって門に手をかけた・・が、案の定開かなかった。
「次はウラ門だ。」みんなは裏口へ回る。屋敷の反対側にいくのも
けっこう時間がかかる。・・・ようやく、たどりついた。
「どれどれ・・・やっぱりかぎがかかってる。」
「どうしようか?なんかの技をかけて壊してみようか?」
「いや、音がして、ほかの人にバレるとマズい。」
「早くしないと、カルナボが戻ってきちゃうよ!」
「・・・針金持ってる人いる?」と、マジポンがいった。
「おれ、持ってる。かなづちもいるか?」と、もみぢがいう。
「いや、針金だけでいい・・・」マジポンはもみぢから針金をかりた。
「まさか、針金で南京錠をこじあけるつもり?」
「うん。」マジポンが針金をいじっている。
「無理、じゃない?だって、2つも南京錠がかけてあるよ・・」
マジポンは、必死で針金の形を少しずつ変えながら錠を開けようとしている。
「僕は、もう1つの錠のほうをやってみよう」と、もみぢも針金でチマチマ
いじる。リーフは、役に立ちそうな者はないかとカバンをあさる。
ハサミ、カッター、爪きり、小型ペンチ・・・役に立ちそうなものをだした。
「もしよかったら使ってね。」と、リーフがいったのでマジポンは
ハサミを手にとって、針金を少しだけ短くしたりした。
「僕のカバンの中にも役に立つのものがあるかも。探してみて」と、マジポンがいった。
「僕のカバンには役立ちそうなものはないよ」と、もみぢ。
リーフはマジポンのカバンをあさった。僕のより大きいカッターがある。
釘もある。ドライバーもあるぞ。プラスとマイナスの両方ある。
カパッ!!!
マジポンがいじっていたほうの錠が外れた。
「おお!やるじゃん、マジポン。あとはこっちの錠だけ・・・」
もう1つの錠はねマジポンが開けたものよりやや複雑なようだ。
3人で交代して錠開けをする(主力はマジポン)。
「どろぼうみたいな気分だな。他人の家の錠を開けようだなんて」
「どろぼうは、自分が牢屋につかまっても大丈夫にように色々練習してるんでしょ?」
「ああ、手が痛い。そろそろかわってよ・・・」
そうして時間がすぎていった。もみぢが自分のカバンの中を捜す。
「ああ、鍵の束だ。鍵が20個ぐらい。合うワケないよな。」
やがて、時間が経ってもみぢが錠をいじる番になった。
「どうせダメだけど」もみぢは、鍵の束の鍵を1つずつ試してみる。
「あ・・・あれ?もしかして?」
カパーッ!!!
「あ、開いた!ラッキー」
「いやあ、偶然だな。こういうのを『盲亀の浮木』っていうんだな」
「浮木でも打撲でもなんでもいいから、早く入ろう!」
みんなの裏口からそーっと中へ入る。
通路だった。左に扉があった。
「入ってみよう」
みんなはそーっと扉を開けてその部屋の中へ足を踏み込んだ。
「あ、トイレだ。」すぐにみんなは部屋をあとにした。
次は右の扉だ。扉を慎重に音をたてないように開ける。
留守なのだから音をたてても平気なのだが、そーっとやったほうが安心だ。
部屋の中はトイレより少し広かった。絵がいっぱいかざってあった。
また引き返す。正面のドアを慎重にあけると、大広間だった。
ここから、また色々な方向に通路が伸びている。
「さてと。」一番左の通路を奥にいった。食卓だった。広間に戻る。
ガタガタガタッ!
表門の開く音がした。そして、老人の声がした。
「あー、今日もようやくめんどくさい仕事が終わった。のんびりラジオを聴こう」
と、カルナボ野郎の声がする。大広間にはまだ来ていないがそのうち来るだろう。
「・・あそこにラジオがある!」大広間のテーブルにラジオが配置してあった。
「ってことは、すぐカルナボがここに来る!!!!」
3人は急いで近くの通路の奥へ逃げ込む。もみぢは、テーブルの上に
黄金の光る鍵を見つけたので、自分の持っている鍵の1つとその黄金のかぎを
すりかえ、急いで通路へ。通路は横へ左折していた。
左へ『抜き足/差し足/忍び足』で移動する。その先にはドアで区切られていない
部屋があったので入る。・・と・・そこにはオリが1つ、そしてその中にいるのは
まぎれもなくロボだった。
「ロロロ、ロ、ロボ!!!」マジポンは思わず大声をあげてしまったが
あわてて口を押さえた。ロボも、びっくりしたようだが声は出さなかった。
「こ、この鍵・・・」もみぢが黄金の鍵をオリの鍵穴にさして、ゆっくり回してみた。
カチャン!!!
開いた!!この黄金の鍵はオリの鍵だったのだ。
「ありがとう!」と、ロボが小声でいう。「わざわざここの屋敷まで?」
「あ・・・ああ・・・うん・・・・」
「みんなまで捕まらなくてよかった。でもなんで助けに来たの?」
「・・・???・・・だって・・・ロボが・・・大変そうだったし・・・」
「まだ、知り合って間も無い僕のために・・・ウッウッ(泣く)」
「おい、泣くと音をかぎつけてカルナボ野郎がくるかも・・・」
耳をすますとラジオの音が聞こえてきた。気づいていないようだ。
「(泣きながら)・・・こんなやさしいみんなに・・実は僕・・・・」
「だから、声出すとカルナボが来るってのに・・」
ロボは声のボリュームを以前の48.75479065%まで下げた。
「実は、僕、スパイだったんだ・・」
「は?」
「トチカン寺院に、世界征服を企むラグナロックスがいて・・・」
「おもしろそうな話だが、今はとにかくカルナボの屋敷から逃げ出さないと・・」
「そうだね。この部屋には大広間へ戻る通路しかないけどそこにはカルナボが・・」
「大丈夫、ほら、ここの窓から出ればいい」
ロボは指差した窓から、みんなは1気に逃げ出した。
<つづく>
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