{ゴースト物語}/第13章


ゴーレムがさらに勢いをましてみんなを乗せて走っている。
「モンスターが引いているのに人力車ってのは変だなぁ・・・」
「そうだね、例えば怪物力車とかになんないかな」
「でも、それじゃ、怪力車みたいだねぇ」
「引いてるのがガリだったら、神力車でもいいね」
のんきに話をしていると、バリーズに着いた。
「さてと。これから50分、歩くんだっけェ?」
再び50分間、ひたすら歩きつづける。前回と比べると雨も雪もふっていない。
ところどころに水溜まりがあるくらいだ。しかし、セキトバへいったら雪が
降っているか、あるいは最低でも雪が地面に積もっているのは確実だ。
途中で、1回水筒から水をくんで飲んだ。
「あ〜、あたりにもモンスターの姿がちょこっと見え始めたな。村も近い?」
周りをディノ、ラウー、マジンなど様々なモンスターがゆうがに歩いている。
少しすすむと、村の門が見えた。4人は、村の中へ入った。
前回と同じく、早めに食事をして、また出発。
「そういえば、また海を渡って、セキトバまでいくのか・・・・」
「港までGo!」
4人はどんどん村を歩いていく。村はさほど大きくないので、すぐに港に着いた。
「あ、渡し舟がある!5人まで乗れるみたいだから乗ろうよ」
渡し舟の近くには看板がある。
『片道チケットは250G、往復チケットは480G。
1回5人まで乗れます。風力7以上の時は中止。
土日、祝日は休み、朝7時から夜11時まで』
「よし、往復チケットを買おう」
渡し舟の船頭は船の上でグーグー寝ていた。
「もしもし!向こう岸までいきたいんですが・・・」
「グーグーグーグー」
「起きてください!いくんですってば」
「グーグーグーグー」
なかなか起きない。キロハ村の門番カメンワームといい勝負だ。
「おきてくださ〜い!!!!!!!!!!」
「グーグー・・・おはよう」
「セキトバまで!イッテェ!」
「ふぁいふぁい。行きゃいいんでしょ、行きゃ」
船頭はゆっくり船をこぎ始めた。
「往復かぇ?」
「はい」
「んじゃ、いつ帰えるね?」
「分かりません」
「じゃ、ずーっと向こうで待ってなきゃ。めんどくさいな」
「すいませんねぇ。・・・」
ぐらぐらと揺れる小船は、不安定で落ち着けない。
「・・・あれ?あそこの桟橋につけるんじゃないの?」と、ハムリーフが聞いた。
「つけたいけどね。この船は桟橋が嫌いなんだ。」
「どーでもいーけど、早くツケテネ。」
「じゃあ、あんたが桟橋と船の仲をよくしてくれ」
「なんじゃそりゃ?このまままっすぐ・・ちょっと左・・」
「そう・・・!そう行けばバッチシ!」
「でも、そういってないじゃん・・・」
「はいはい。くちうるさい客だなぁ。」
「そんなこと言う船頭もあんまりいないよ」
「ところで、たった今、代金が2倍の960Gに増えました。」
「なんでだ?」
「もうからないから、値上げだ。」
「ずるいよ、コイツは。そんなのなしだ。」
「(少しして)は〜い。到着だぜ。」
「よいしょっと。」みんなは船から下りた。
「ここで待っててくれよ〜。」
「いえ、待たないよん。」
「おいおい、そりゃあ、困る。」
「往復代金は960Gなのにあんたたちは半分の480Gしか
払ってない。だから、片道だけだ。」
「なにおぉ?」
「冗談。ちゃんといるよ。じゃあね。」
「バイバイ」
みんなは、また歩き出した。歩く・・・・・
少しすると、前も見た看板がある。
『トチカン寺院』
「着いた〜!!!」マジポンがためいきをついた。
「ラグナロックスのいる本拠地は、正面に約0.5kmのところにある。」
「よし、ガンバってそこまで行こう!」
みんなは歩き出す。みんな、不安だった。相手は無敵を誇るラグナロックス
だし、戦わなければならないのがラグナロックスだけだとは限らない。
もしかしたら、大量の子分がいて、襲ってくるかも知れない。
「っと・・・」みんなは、急にソロソロと歩き出した。
小スエゾーのいる岩のそばを通るからだ・・・・うまく、通れた。
「毎回コイツにゃ、ヒヤヒヤさせられるよ・・・」
体の小さい小スエゾーは、数の多さで勝負してくるので危険だ。
十字路に出たが、正面のラグナロックスがいるハズなので前回とは
違って右に曲がらず、まっすぐ進んだ。
「この先にもう1つT字路があるけど、これも無視ね。」シルバーが説明。
「ドキドキするなぁ・・・」みんなは歩いて行った。
左右をよく見ると、向こうのほうに神社のようなものが見える。
しばらくして、T字路に着いた。だが、直前の門があった。
「よし・・・」シルバーがリュックから鍵を取り出した。
カチャカチャカチャ・・・
鍵を回すと、扉が開いた。T字路をまっすぐ行く。
しばらく歩いた。なかなか長い距離だ。たったの0.5kmだが。
そうこうするうちに、向こうに巨大な建築物が見えた。
「あれが表本堂だよ」シルバーが説明した。
「って事は裏本堂も・・・?」
「あるけど、ほとんど使われていないよ。地震でできた地割れが
裏本堂の門の所にできちゃったんだ。」
「ふ〜ん。表本堂に着いたけど、ど〜やって入るんだい?」
扉には縦横3×3マスのボタンがあり、1〜9までの数字が書いてあった。
「パスワードをいれるんだ・・・えっと、たしか9837・・」
シルバーが数字を入力すると、扉はゴトゴトゴトと音をたてて開いた。
「よしと。中には警備員モンスターが何匹かいるけどうまくだますから・・」
シルバーを先頭に、みんなは遺跡内部へ進入した。
「うわぁ!やっぱり暗いなぁ・・・」
たしかに、中は薄暗かった。念のため、懐中電燈を1つだけつける。
「出発進行!・・・・いくど〜!・・・」
ロボの案内する通り、みんなは進んで行く。なかなか複雑な構造
をしている古代遺跡だ。しばらく進むと、中庭に出た。
庭には2羽ニワトリがいた・・・のではなく、2人の警備兵がいた。
ケンプファー2人だ。よく見ると、地獄の番犬ともいわれるケルベロスもいた。
近くに、椅子と机もあった。
「シルバーか、おかえり。後ろの3体はだれだ?」ケンプファーが低い声で喋った。
「実は、ラグナロックス閣下が、新しい秘書を探していると聞いて・・・・
で、紹介しようと思ってきました。」シルバーがでまかせをいう。
「ふぅ〜ん。念のため確認しておこう。そこにかけたまえ」
みんなは椅子に座った。ケンプファーは、机の上の電話を手にとった。
「もしもし?ラグナロックス閣下ですか?第1警備隊のケンプファーですが、
いま帰ってきたシルバーによると、閣下が新しい秘書を探しているとか・・
本当でしょうか?・・・はい・・・・はい・・・ああ、そうですか。そう伝えておきます。
・・・・・はい・・・・では、失礼しました。」
ケンプファーは、電話をきった。
「秘書じゃなくて、新しいスパイだといっていたぞ。もし、その人達が
秘書には向いているが、スパイには向いていないのなら連れてくるなといっておる。」
「・・・・・スパイにも向いているっす。」
「・・・よし、通そう」
<つづく>
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