{モンスター物語}/第4章


風の吹き荒れる草原に、ちょこんと1つの
シルクハットがおっこちていた。
シルクハットは左右に揺れ、なかからマジポンが出てきた。
「あれ・・・・?・・・どこだ、ここは?」
きょろきょろきょろ・・・・
「あっちがわに海があるな・・・そうだ!
波に飲まれておぼれてたんたっけ?」
マジポンは数時間前のことを思いだした。
「あれはたしか、ゆうがた前だったはず。
でも今は・・・まっくら・・・夏だし、
9時ぐらいかな・・・?」
頭上にはたくさんの星が瞬いていた。
「海の波で、僕はここに打ち上げられたのかな・・
でも、ペッチャはどうしているんだろう?
ここらへんにはいないけど・・・」
暗くてよく見えないが、草原だった。
暗いから見えないだけかもしれないが。
「ここで下手に動くと迷子になるかも。
朝まで待ってみるかぁ・・・」
マジポンはすぐ実体を消した。
でも、だからといってすぐ寝れるわけではない。
打ち上げられた拍子で左腕がちょっとだけ痛いし
だいたいさっき寝たばかりなのだ。
この調子じゃ、夜はずっと寝れなくて、
朝になったら眠くなるっていうようなことになりそう。
そうなると生活リズムが・・・ごほごほ。
とはいえ、こんな夜になにもすることはない。
おなかはけっこうすいているが食べ物を探すにしても
いまは暗すぎる。眠れそうもなくても、寝るしかない。
・・・1時間が経過した。
しかし、まだマジポンは寝れなかった。
そういえば、ここらへんって静かだなあ・・・
虫の鳴き声もほとんどしないし、生き物の気配も
ぜんぜんしない。まぁ、へんな生き物に襲われる
っていうのもイヤだけど。
また、1時間が経過した。
ようやくマジポンも寝付く事が出来た。
さらに、数時間が経過する。
まだちょっとしか寝てないのに、マジポンは
目が覚めてしまった。目を開けた。
東の空が明るくなる直前といった時間かな・・・
キラッ!
マジポンの見ていた空で緑色の光が見えた。
「緑色の星なんて珍しい・・・」
しばらく、マジポンはその光を見ていた。
「なんか、だんだん大きくなっているような・・・?」
10分ぐらい光を見ていたのだが・・・
「これは・・・もしや・・・」
近付いてきた光は、どう見ても・・
「これが・・・UFO?・・未確認飛行物体?」
銀色に光る大きな円盤のふちは、ランプがつけられて
ランプが七色に光り、美しいと言えば美しかった。
そして、ピュュュューーという音もしている気がする。
「耳鳴り・・?・・でもないし・・・」
そのピュュュューーという音はますます激しくなった。
キラッ!
円盤はマジポンの真上まできて、地面に向かって
はしらのような光を出した。
「本当に・・・UFOだ・・・!?」
ピカーーーン!!!!
強い光はアッと言う間に消えてしまった。
「だれか・・・いる?」
さっき光の柱が在ったところに、1人、人影が見える。
よくある宇宙人の登場パターンだ。
マジポンはいつのまにか実体を出していた。
「やばい・・・こっちに来る・・・
襲われたらどうしよう・・・逃げようかな・・・」
しかし、逃げたら居場所が分かってしまう。
いまのところあの宇宙人は自分に気づいていないようだ。
ピカッ!
また、かなりの明るさの光が煌いた。
ほんの1/60秒ぐらいで光は消えた。
その時に一瞬だけ宇宙人のシルエットが見えた。
4本、手足があったのはわかったが、他のことは
まったく分からないまま光は消えた。
「あの宇宙人が僕に気づいたら、どうしよう。
あんな、危険度100%の野郎につかまったら
大変だ。気づかれないように・・・」
マジポンはすぐに実体を消した。
これで気づかれにくくなるはずだ・・・。
しばらくして・・・・
マジポンはシルクハットのすきまから
様子を覗った。宇宙人は数を増していた。
いろんな形の宇宙人がいる。さっきよりずっと
自分の近くに宇宙人が近付いている。
光の中で見た姿の宇宙人も1匹いたが
それ以外の姿の宇宙人もいた。
「うわあ・・いっぱいいる・・・」
ビュイイィィィィ〜〜〜ン!!
耳障りの悪いイヤな音がした。
宇宙人の集団の中心にいる、光の中で見た
ヤツが、電磁波を出しているようだ。
ビュイイィィィィ〜〜〜ン!!
不快な音を続く・・実体を消してシルクハットの
中に隠れていても聞こえるほどの音量だ。
宇宙人の放つ電磁波はマジポンのところまで届く。
「!!!???!?!?」
なんともいない、変な気持ちになった。
また、シルクハットのすきまから外の様子を覗う。
相変わらずさっきのヤツが電磁波を放出している。
そして、確実にマジポンの所へ近寄ってきている。
「ばれた!?・・・・・いや、偶然こっちのほうに
向かって歩いているだけだろうな・・・」
マジポンはひたすら宇宙人が去ってくれるのを待った。
「早く行けってのこのデクノボー!!!
あら・・・頭が痛いなぁ・・・」
それは宇宙人の放出している電磁波のせいだった。
「うううう・・・ぐぅっ!」
スポン!
マジポンの実体は、無意識のうちに出てしまった。
「わ、なにしてるんだ、僕は・・・」
宇宙人の方は見ると、電磁波の放出を中断して
マジポンの方へ歩いてきていた。
「やばい・・・こりゃ多分見つかったな・・・」
マジポンは実体を消そうかとも思ったが、
そんなことしても無駄だと思ったやめた。
「いや、待てよ・・・宇宙人だからといって
悪いヤツだとは限らない・・・もしかしたら
この星に高度な技術をもたらすために来たのかも」
でも、やはり宇宙人は会うのはイヤだ。
しかし、気づくと宇宙人はマジポンの目の前まで来ていた。
<つづく>
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